EDMとくれば「ノイジーなシンセ」「ハッピーな酔客」が連想されますが、リラックスタイムに聴けるカテゴリももちろんあるんです。
ここではその中でも、ポップス系統に近いトロピカルハウス・ディープハウスにフォーカスして、2021年にリリースされた最新のおすすめソングを17曲ご紹介いたします。
ガチ EDM とは違い、ボーカル映えするメロディックなサウンドは、何度繰り返し聴いても疲れません。お気に入りがあれば soundcloud や spotify でアーティストをフォローし、ぜひ日常生活の音楽のお供としてください。
おそらくは一部埒外のカテゴリの曲も混じっていると思いますが、本職DJでない人間が「主観」でセレクトしているので、その点ご容赦を。
- 1 Jovani – Be Right Back (feat. Embody & VASSY)
- 2 Clean Bandit and Mabel – Tick Tock (feat. 24kGoldn) [Sam Feldt Remix]
- 3 Hook N Sling & Galantis w/ Karen Harding – The Best
- 4 Too Much (feat. Imanbek & Usher) [Alle Farben Remix]
- 5 Martin Jensen – Carry On (Möwe Remix)
- 6 Davai – One More Time
- 7 Jay hardway – Running To You
- 8 Jubël – Someone
- 9 Nora Van Elken – Interstellar
- 10 Campsite Dream – Waiting For Tonight
- 11 Toby Romeo, Felix Jaehn, FAULHABER – Where The Lights Are Low
- 12 Lucas estrada – White Flag
- 13 Zerb – Hard To Keep (feat. Moore)
- 14 Evokings, Caio Gomes – Sandcastles
- 15 SØLO x Kush Kush x Gabry Ponte – All That She Wants
- 16 Seeb, Goodboys, HRVY – Unfamiliar
- 17 Oliver Heldens – Never Look Back (feat. Syd Silvair)
- 18 まとめ
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Jovani – Be Right Back (feat. Embody & VASSY)
Radistai DJs というデュオでも活動しているリトアニアのプロデューサー、Jovani の最新曲。95bpm 前後とスローだが、とてもさわやかな仕上がりの一曲。なお、フィーチャーしている Embody もリトアニア出身。
一昔前は東欧周辺の著名なプロデューサーを耳にする機会はあまりなかったが、今ではまったく珍しくない。
Clean Bandit and Mabel – Tick Tock (feat. 24kGoldn) [Sam Feldt Remix]
2014年のデビュー以降一貫してトロピカル・ディープ路線を突き進み、今や世界的第一人者の一人となった sam feldt。本楽曲は彼の最新リミックスの一つで、おぼろげながら Kygo の影響が感じられる。
予断だが、彼の Youtube チャンネルにある Tutorial 系動画から、FL studio ユーザーであることが伺える(2014年当時)。
➡ 参考:Sam Feldt – Making of ‘Show Me Love’ feat. Kimberly Anne
Hook N Sling & Galantis w/ Karen Harding – The Best
超メジャーどころのスウェーデンのプロデューサーデュオ、Galantis。 彼らは流行のサウンドをフォローしても、絶対に人マネはしない。周囲のトレンドどこ吹く風とばかり、今回のように、拍子抜けするくらい肩の力が抜けた曲を持ってくるのが彼ららしい。
以下本楽曲のリメイク動画。メインシンセのコピー具合はさほどでもないが、ホイッスル・リズムパートなどは参考になる。
➡ 参考:Galantis, Hook N Sling – The Best (Remake & Tutorial)
Too Much (feat. Imanbek & Usher) [Alle Farben Remix]
Imanbek&Mashmello プロデュース楽曲のリミックス。手掛けたドイツ人EDMプロデューサー Alle Farben は日本での知名度はそこまででもないが、すでに三枚のアルバムをリリース済みのベテラン。
なお、2019年のアルバム「stickers on my suitcase」にはアコースティック中心の、さわやかでメロディアスな曲が多い。ぜひチェックしてみて欲しい。
➡ 参考:DJ Mag Japan独占インタビュー:Alle Farben
Martin Jensen – Carry On (Möwe Remix)
オーストリア、ウィーン出身の二人組「Möwe」のリミックス作品。スラップ風のアプローチだが、ディレイが利いていて、ひじょうに心地よい。彼ら自体の情報は、ネット上にも少ないため多くを語ることは出来ないが、一貫してディープ路線を歩んできていることだけは確か。ちなみに「Möwe」はドイツ語で「かもめ」のこと。
Davai – One More Time
ノルウェーのプロデューサーデュオ Davai の最新作。デビュー作「Replay (feat. CIRE)」はYoutubeで累計数千万再生回数を記録している実力者。こだわった制作スタイルのためかリリースがゆっくりで年間数曲しか新譜を出さない。同じカテゴリの他のプロデューサーとは一線を画した独自性がある。
Jay hardway – Running To You
エレクトロ系統のイチ推しとして Spinnin でも頻繁に目にするオランダ人プロデューサー Jay hardway。彼にしてはやや珍しい、さわやかな切り口の一曲。こういうスタイルが続くなら、今後もぜひ彼をフォローしたい。
なお、界隈では広く知られているが、Jay hardway は Youtube チャンネルでけっこうあけっぴろげに自作品の作り方を公開している。内容は古めだが参考にはなる。
➡ 参考:‘Wake Up’ explained in the studio by Jay Hardway
Jubël – Someone
スウェーデンのプロデューサーデュオ、Jubëlの、ディープでもトロピカルでもない、ポップスとしか言いようがないキャッチーな一曲。コーラス「Time after time、night after night・・」のくだりで一気に楽曲に引き込まれる。アコギと四つ打ちキックのコンビネーションが素晴らしいの一言。
Nora Van Elken – Interstellar
2017年デビューと比較的新参のオランダ人女性プロデューサー Nora Van Elken。ディープ界隈では知名度は高くリリースな軒並み高評価。ディープ系・チル系が好きな人は彼女のサウンドを一度は耳にしたことがあるはず。
なぜか「Torii」「Ikebana」といった日本に馴染みのあるタイトルの楽曲名が見受けられる。ちなみに本人は顔出ししていないようだ。
Campsite Dream – Waiting For Tonight
6年くらい前から活動している、トロピカル系のプロデューサー Campsite Dream。オランダ出身であること以外はほぼ情報が無い。もともと Kygo 系統のスタイルで、今でも独自のアプローチを織り交ぜつつトロピカルなスタンスを崩していない。
近年こういった類の曲は、パート数少なめレイヤー多めのためか、サウンドが大きく感じるのが通例。だが Campsite Dream のはその中でもステレオフィールドを広くとる、けっこう大きい部類。
Toby Romeo, Felix Jaehn, FAULHABER – Where The Lights Are Low
若干二十歳のオーストリア人プロデューサー Toby Romeo と、ドイツ人若手プロデューサー Felix Jaehn のコラボ作品。二人合わせて Spotify 月間リスナー数は2500万人を超える。とくにひねりの無いスラップ系の曲だが、コーラスとドロップでリピートするシンプルなメロディラインがただキャッチ―。
Lucas estrada – White Flag
ストックホルム在住のプロデューサー Lucas estrada の最新曲。ギターをフィーチャーしたディープ系統のリリースが多く、その手のDJミックスのプレイリストには、必ずと言っていいほど彼の曲がピックアップされている。この曲も彼のもっとも得意とするスタイルの一つ。レコードレーベル「loudkult」のファウンダーでもある。
Zerb – Hard To Keep (feat. Moore)
若干23歳ながら、Tiesto、Oliver Heldens等数多くのビッグネームからサポートを受けるブラジル人プロデューサー 、Zerb の最新リリース。活動拠点が南米のためか英語の情報もなかなか見当たらない。ディープな中に、どことなくエスニックなテイストを混ぜ込むスタイル。ただ、この PV ちょっと怖いと思いませんか?
Evokings, Caio Gomes – Sandcastles
ブラジルのクラブミュージック、プロデューサーデュオ Evokings の最新曲。本作はオーガニックなディープ系インストゥルメンタルだが、過去作品にはややプログレッシブ系統のリリースも散見される。前項の Zerb と同じで、南米が主たるフィールドのためかやはり英語の情報がほぼ無い。
SØLO x Kush Kush x Gabry Ponte – All That She Wants
ドイツ人プロデューサーデュオのKush Kush と、SØLO によるコラボ作品。どちらもキャリアはまだ浅いと思われるが、とくに SØLO は情報が全く無いのでズブの新人かと思われる。
スラップ系統の曲はどちらかといえばややダークなものが多いが、本作はスラップ系のリズムに爽やかなウィンド系のリードをフィーチャしている、若干珍しいアプローチ。こういうスタイルの曲を好む人は、世界でも多いはず。
Seeb, Goodboys, HRVY – Unfamiliar
Youtube 累計13億回越えの再生回数を誇る「I Took A Pill In Ibiza(Seeb Remix)」で不動のポジションを築いたスウェーデンのデュオ seeb の新作。彼らの素晴らしい点は、流行りのサウンドを参考にはしても独自のワンタッチを忘れないこと。他との差別化にオリジナリティは欠かせないことを教えてくれる。
なお、seebは公式チャンネルで、過のリリースの Tutorial を公開してくれている。ひじょうに参考になるのでクリエイターの方はぜひチェックしてみて欲しい。
➡ 参考:How we produced I TOOK A PILL IN IBIZA REMIX (Beat Breakdown)
Oliver Heldens – Never Look Back (feat. Syd Silvair)
Oliver Heldens は、そもそもフューチャーハウス系統のビッグネームだが、時折こういった落ち着きのあるリリースも間に挟む。過去作品「Aquarius」も同じ系統と感じる。
彼の曲を聴いていて感じるのは、メロディよりもグルーブでけん引する曲、言い換えれば「レディオでなくフロアで生きる」曲がひじょうに多いということ。年齢や顔に見合わない、堂に入ったプロデュースに驚かされる。世界中のDJから支持される理由が分かる気がする。
まとめ
さいごに、本記事のまとめとして「ディープハウス・トロピカルハウスから始まり Avicii で締めくくる」、一般の方にもなじみやすい DJ ミックスがあったので、ここにご紹介します。
セレクト楽曲のアーティストを見ると、トロピカル・ディープ・スラップ・ポップス・メインルームと、そこそこ広範囲なカテゴリを横断。
ただサウンドがアコースティックをフィーチャーしている点はだいたい一貫していて、ゆえに途切れることなくスムースなミックスになっているんですね。
DJ が自分の感性だけでセレクトした楽曲が、つなげてみたら一つのストーリーになっている。これが再生回数800万越えの人気動画になっている秘密は、そういうところにもあるかもしれません。
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