【おすすめ吸音材の効果・貼り方】モニター環境劇的改善のための「定在波」6つの常識

  • 2021年5月17日
  • 2021年12月18日
  • 制作

「定在波」という用語をご存じでしょうか?

部屋鳴りを改善すればスピーカーの出音がクリアになり、より精密な楽曲制作が可能になる、この「部屋鳴り問題」の八割が「定在波」によるもの

逆をいえば、定在波を攻略しさえすれば問題の八割をクリアしたことになり、劇的にモニター環境が改善されるとも言えます。

モニター環境改善によりえられるメリットは甚大。


  • EQ・コンプ等エフェクト調整スキルの向上
  • ミキシングスキルの向上
  • アレンジスキルの向上
  • 作業時間の時短化
  • モチベーションの向上

つまり楽曲制作に必要なスキル全体の底上げ効果があります。

これらはオーバーでもなんでもなく私自身実体験で感じることで

出音が正確であればそれを認識・調整する能力は磨けるが、出音が不正確であれば一定以上は見込めない

というのが率直な感覚。


定在波は音響工学を背景にしたややこしいものです。しかし楽曲制作者に必要なエッセンスだけを抽出すると、意外にも定在波の特徴には「パターン」があります。つまり攻略法がおおよそ決まっているということ。

「敵を知り己を知れば百戦して危うからず」ではありませんが、「定在波について」「自分の部屋の定在波について」知り、適切な対応をすることで、ヘタな機材に投資する何倍ものスキルアップが見込めるでしょう。

以下、初めての方にも分かりやすく順を追って解説します。

定在波とは? 定在波がヤバい理由とは?

定在波とは?

本来音は一方向に進むものですが、全く同一の音が左右から来て混ざり合うとき、音はそれ以上進行せずその場にとどまって振動するようになります。

これを定在波と呼びます。以下の Youtube 動画は定在波のモデル映像。

定常波 ( standing wave )

青のサイン波が「左右から来て混ざる2つの進行波」で、赤のサイン波が「その結果生じる定在波」を表しています。

ポイントは、赤の定在波をよく見ると、上下(プラスマイナス極性)に大きく振動している部分(腹)と、まったく振動していない部分(節)がある点。

「腹」の振幅が青の2倍にまで大きくなっている一方、「節」では振幅がゼロ。

つまり定在波が発生すると、本来の音圧の倍になってしまう部分、逆にゼロで消失してしまう部分が定位置に発生することになります。

これがモニター音に悪さをします。


ちなみに同じ音が複数方向から来て混ざり合う、なんて現象は自然界では稀。

しかしながら部屋の中でスピーカーから音をだすと、スピーカー音と壁の反射音がまじりあうため、定在波は常時発生することになってしまうんです。

本来定在波は「腹」と「節」という言葉で説明されますが、この記事では分かりやすくするために「ピーク(音圧最大)」と「ディップ(音圧最小)」という言葉で説明を続けます。

定在波はなぜヤバいのか?

定在波がヤバい理由、それは低音域を中心に広範囲なピークとディップを引き起こすからです

そもそも低音域から高音域まで、定在波は幅広い帯域にまたがって発生します。

ただ影響する波長(一周期が進行する距離)が周波数に反比例するのがポイントで、低周波ほど波長が長い、つまり低い音ほどピークとディップの発生する面積が広く無視できなくなります。

右から「60Hz・120Hz・180Hz・240Hz」の正弦波
低いほど波長が長い

これがモニター音を妨害し、「モコモコ」して焦点が合わない、スカスカでやけにスペース感がある、などの問題が低音域を中心に多発することになります。

具体的には以下のような問題を引き起こします。


  • モニター音の解像度低下
  • 定位感の喪失

「モニタースピーカーの低音がこもって聞こえる」
「低音域パートのEQ調整がなかなかバチっと決まらない」
「モノラルセンターのはずのキックがあいまいに聴こえる」

このように定在波は楽曲制作でもっとも大切な低音域調整を邪魔する、悪質極まりないヤバい存在なのです。

定在波は、どちらかといえばピークよりもディップの方が深刻な問題になることが多いようです。

常識① 定在波の発生する帯域は決まっている

では定在波が発生する帯域(共鳴周波数)をどうやって特定するか?

それは、

壁面間の倍の距離を波長とする周波数の整数倍

で求めることが出来ます。

この共鳴周波数は、平行に向かい合う壁を端まで進み、反射して戻ってくるとちょうど波長の整数倍になる特質があります。以下のような状態ですね。

面間距離と共鳴周波数の関係

ただ正確にはその逆で、「面間距離の整数倍の波長だから、定在波が発生する」が正しい表現。つまり部屋のサイズが定在波の発生する帯域を決めています。

アコースティック楽器は「密閉空間で特定周波数を共鳴させ音量を増大させる」、定在波の仕組みと似た構造で成り立っています。

六畳間(360cm(L)×270cm(W)×240cm(H))を例に計算してみます。

長辺の面間距離の往復は 3.6×2=7.2 で、7.2mを波長とする音の周波数は 340÷7.2 で 約47.2。

そしてこれの整数倍なので、47.2Hz、94.4Hz、141.6Hz、188.8Hz・・・これがこの長辺の壁面間から発生する共鳴周波数です。

あとは短辺・高さも同じ要領で計算すればOK。


  • 長辺:47.2Hz、94.4Hz、141.6Hz、188.8Hz・・・・・
  • 短辺:62.9Hz、125.8Hz、188.7Hz、251.6Hz・・・・・
  • 高さ:70.8Hz、141.6HZ、212.4Hz、283,2Hz・・・・・

部屋の寸法がわかれば、その部屋の共鳴周波数は電卓で簡単に算出できます

なお、整数倍した値は倍数の小さい順に「一次モード、二次モード・・・」と呼び、定在波として注意すべきはざっくりと四次モード周辺まで。(「定在波が深刻化しやすい部屋」ではもっと高くなる)

一応、一次モードの共鳴周波数を算出する計算式は以下のようになります。

340 ÷(面間距離×2) ➡ 170 ÷ 面間距離

本来モードの議論はかなり複雑なものですが、部屋鳴り対策としてはこの程度把握できておれば十分です。

常識② 定在波の発生する場所は決まっている

すでに言及のとおり、定在波は部屋の決まった位置で発生します。具体的にはモードによって異なります。

一次モードなら壁際がピークで真ん中がディップ。

一次モードであればすべてこの位置で定在波が発生します。

二次モードではこれと同じ音圧状態が二回、三次であれば三回、四次であれば四回・・・と反復され、以下のような規則性で定在波が偏在することになります。

これは部屋の残り二辺の壁面間でも同様に発生します。結果、周波数のモードごとに3Dの「格子」のような状態でピークとディップが発生することになります。

ポイントは壁際に必ずピークが来る点。特に頂点は部屋の三辺のピークが一堂に集まる部分で、低音がきわめてブーミーになります。定在波対策として、ベーストラップと呼ばれる吸音材が部屋の隅に集中配備されるのはコレが理由。

部屋の頂点部分には必ず吸音材を配置しておきたい

次に、定在波が深刻化しやすい部屋の特徴について説明していきます。

常識③ 定在波が問題になる部屋の特徴は決まっている

結論をいうと、


  • 容積の小さい部屋
  • 音を反射しやすい壁の部屋
  • 寸法比が単純な部屋

は定在波の問題が深刻化しやすい傾向にあります。

容積の小さい部屋・音を反射しやすい部屋

容積の小さい部屋は、壁どうしの間隔が近いので音が何度も往復反射、その分定在波のピークとディップが強調されやすくなります。最低四畳はほしいところ。

また音を反射しやすい部屋はいわゆる「ライブな部屋」、典型例はコンクリート打ちっぱなし。

スピーカー音と反射音の音量差が小さく、定在波のピークとディップが深刻化します。往復反射もひどくなるでしょう。

この「音の反射しやすさ」は防音性能と逆の相関関係にあり、防音性能が乏しい部屋は音が外にダダ洩れで、皮肉にも定在波がその分抑えられるようです。騒音苦情は避けられませんが。

寸法比が単純な部屋

次は寸法比が単純な部屋。良くない理由は共鳴周波数がダブりなりやすくなるから

上で計算した六畳間の共鳴周波数をみると、141.6Hz、188.8Hzがそれぞれダブっていることが分かります。

そもそも共鳴周波数は「170割る面間距離の整数倍」なので、割り算する三辺の面間距離が「2:1:1」など小数点以下を含まない単純な比率であるほどダブりの周波数が数多く発生します。

三辺同一のサイコロ型の部屋があるとすると、三辺の面間から発生する共鳴周波数もすべて同一。

ピークの音圧は二の三乗で八倍。これが「小さい部屋」「音を反射する部屋」なら乗数がさらに増加。とんでもないことになります。

部屋の寸法比は定在波対策に無視できない要素といえるでしょう。

以下は部屋の寸法比と定在波の関係を示した「Bolt Chart」 と呼ばれる図。

高さを1とした場合の長辺と短辺の比率をしらべ、それが交差するポイントがグレー枠内に収まる比率であれば良好。緑のゾーンに近づくほど定在波の発生は抑えられます。


壁面反射は対処法がありますが、「単純な寸法比の部屋」は構造上、低音に大規模な定在波が避けられないと言えます。

もしこの条件に該当するなら「部屋自体を変える」ことも選択肢に入れるべきです。

常識④ 定在波はDAWで簡単に測定できる

DAWで手間をかけず定在波を体感する方法

定在波の状態を正確に把握するにはマイク録音が必要です。しかしざっくりと把握する程度であれば、DAWのテストトーンのみで今すぐできます

手順は以下のとおり。


  • ① 部屋の寸法から定在波の共鳴周波数を出しておく
  • ② DAWのオーディオトラックに「テストトーン」プラグインを挿す
  • ③ ①で求めた共鳴周波数をサイン波で順番に聴いていく

実際にCubaseでやってみます。

以下は計算で求めた弊スタジオの共鳴周波数。


  • 長辺:60Hz、120Hz、180Hz、240Hz・・・
  • 短辺:83Hz、166Hz、249Hz、332Hz・・・
  • 高さ:91Hz、182Hz、273Hz、364Hz・・・

Cubaseでオーディオにインサーションで「TestGenerator」を挿します。

「Tools」カテゴリにある。検索窓で「test」と検索しても出てくる

テストトーンにサイン波をセレクトし、上で求めた共鳴周波数を順番に打ち込んで聴いていきます。ポイントは倍音を含まないサイン波であること。

波形はサイン波、周波数は数値入力する

共鳴周波数を次々と聴いていくと、平均音圧にまじって、あきらかに音圧が大きい帯域(ピーク)、逆に小さい帯域(ディップ)が聴き取れるかと思います。

テストトーンを聴きながら、を前後に動かして「ピークとディップの遷移具合」を体感してみてください。

当然といえば当然ですが、耳で聴いたピークとディップは、次項で説明するマイク測定のスペアナデータとだいたい一致します。ピンポイントで体感すると「定在波」の実像がありありとイメージ出来ます。


以下は弊スタジオでテストトーンをマイク録音したデータのスペアナ画像。

マイクでの測定結果と計算上の共鳴周波数
実際に「耳で聴いた」定在波の位置とほぼ一致

弊スタジオは一応対策をしており、リスニング位置に極端な定在波はありませんが、計算での共鳴周波数と「聴いた感じ」がおおよそ一致します。

このように、単に共鳴周波数をサイン波でピンポイントに聴くだけでも、定在波の状態をざっくりと把握することが可能。必要な時にサッと定在波チェックができます。

Cubase 以外のDAWでもテストトーン用ブラグインは標準搭載されています。Logic Proでは「Test Oscillator」があります。

マイクを立てて測定する方法

マイクを立てて測定する方法です。手順は以下のとおり。


  • ① 「サイン波で20Hz~20KHzのスイープ」をオートメーションする
  • ② リスニング位置でマイク録音
  • ③ 録音データをスペアナ解析

順番に説明します。

プラグイン「TestGenerator」を挿したトラックで、以下のように「20Hz~20KHzのスイープ」のオートメーションをセット。テンポはデフォルト120bpmでOK。

次にリスニング位置にマイクを立てます。

マイクのセットアップが出来れば測定に手間はかからない

マイクスタンドがあればベスト、ただ収録はすぐ終わるので手持ちでもOKです。あとはCubaseでロケーター部分をリピート再生して数テイク収録。

テスト音は耳に悪いので、ヘッドフォンで耳を保護しましょう。

収録が終わったらスペクトラムアナライザで特性を表示させればOK。Cubase標準EQのスペアナでも問題ありません。

以下は再度弊スタジオのスペアナ画像。

注意点は、一応特性解析の際、モニタースピーカーの周波数特性を考慮に入れておくことです。今回はYamaha Ns-10M Studioを使っているので、100Hz前後から下の帯域はなだらかにフェードアウト。

なお、テストスイープは本来このようにフラットな状態です。


以上、定在波の状態を測定する手法を2つご紹介しました。

当面の目標はここで確認した定在波の凸凹をいかにしてフラットに近づけるか、ということになります。対策すると分かりますが、フラットに近づくにつれ、モニター音の解像度が上昇、どんどんクリアになっていきます。

定在波対策の「ビフォーアフター」をスペアナで残しつつ、効果があるかチェックしながら一歩づつ対策を進めていくと良いでしょう。

次に、定在波を抑える方法について説明していきます。

常識⑤ 定在波をおさえるスピーカー・リスニング位置には相場がある

最初に結論をいうと、定在波は発生位置が決まっているため

望ましいスピーカー位置とリスニング位置には相場があり、ある程度抑え込むことが可能

です。

以下がその一例。このポジションだとある程度定在波が軽減されたモニター音が期待できるでしょう。

短辺がごちゃついて見づらいのが恐縮ですが、色分けされた曲線は一次~四次モードの定在波の位置を示したもの。


  • 橙:一次モード
  • 赤:二次モード
  • 緑:三次モード
  • 青:四次モード

山がピークで谷間がディップ、これに基づいて各配置を決めています。

ちなみに定在波抑制に効果のある配置条件は以下のとおり。


  • スピーカーは「各モードのディップに近い」位置
  • リスニング位置は「各モードのピークでもディップでもない」位置

特にスピーカーの位置は

ディップに音源をおくと、そのモードの定在波は発生しない

という特性をふまえています。

とはいえ複数モード考慮しなくてはならず、各モードのディップが集中した位置を狙うと、おおよそ上のようになるかと思います。

次に、リスニング位置に関しても、「ピークでもディップでもない」平均的な音圧がフラットなスピーカー音に近いのも理解できる話です。こちらも複数モードの状態とスピーカーの位置なども考慮した結果、おおよそ上の位置になるかと。

あと、


  • スピーカー・リスニング位置を正三角形にする
  • スピーカーは背面の壁に近づけすぎない
  • 左右スピーカーは側面の壁から等距離におく

も大切な要素です。

検討が終わったら、図を元に正確な位置を割り出します。図から壁の分割比率を出して、実寸法にかけ併せるのが楽なやり方。

参考までに、以下は上の図の長辺・短辺に対する各配置の分割比率。

これに実寸法をかけ併せたら正確な位置が出せるでしょう。他にモードの波長から計算するのもOK。

以上が定在波抑制のためのスピーカー・リスニング位置の決め方になります。

繰り返しますが上の図は一例で、部屋のサイズ、家具の位置などでベストの位置にバラツキがあると思います。ぜひ上の考え方を元に検討ください。


下にモード図(空欄)を置いておきます。縦横比は弊スタジオのものなのでサイズを加工して活用ください。

常識⑥ 定在波に有効な吸音材の種類・配置は決まっている

最後に吸音材の定在波対策について説明します。

巷では数多くの形状の吸音材が売られており、どれが必要なのか戸惑ってしまうかもしれません。ロックウール・グラスウール・ウレタンなど素材もさまざま。

しかし細かいことはすっ飛ばして結論をいうと

低音域の定在波抑制に有効なのは、角・頂点に配置する厚みのある吸音材(ベーストラップ)のみ

逆に厚みの無い吸音材を壁に貼り付けたり、パネル型・屏風型のものを壁際・コーナーに立てるのは、定在波対策としてはあまり効果が期待できません。

吸音材の要点に「厚みは吸音したい波長の1/4以上」というのがあります。

例えば六畳間で問題になりそうな共鳴周波数「188Hz」であれば、約45センチの厚みの吸音材が必要。厚み7~10センチ程度ではエネルギーの多くが貫通。

これらは一次反射音やフラッターエコー対策には有効でも、定在波を根本的に抑えるには至らないでしょう。繰り返しますが、低音域の定在波を吸音するには厚みのある三角柱型・キューブ型ベーストラップがベストです。

ベーストラップの配置

ベーストラップの配置は

スピーカー背面の頂点、角から優先的に配置する

ようにしましょう。

理由は


  • 部屋の頂点とコーナーに定在波のピークが集中するため(②参照
  • スピーカー(音源)周辺から定在波のピークを排除するため(⑤参照

よってまずは以下の図の赤い部分を中心に三角柱型・キューブ型のベーストラップを配置すると良いでしょう。とくに頂点はカバーしましょう

頂点に吸音材をおくと、三辺から集中する定在波を効率よく吸音できる

そののち、他の頂点・コーナーにも置くべきか検討すると良いかと思います。信頼できるベーストラップは少々値が張るので、効果の有無を確認して少しづつ買い足すのが得策


ところで上の、188Hz に厚み45センチの吸音材は正直デカすぎると思いませんか?六畳間には存在感がありすぎるし、このサイズの吸音材は入手が困難。

個人的な感覚では、プライベートな制作スペースには、一般に販売されているベーストラップで十分と感じます。

コチラの項目にアップしているスペアナ画像のとおり、弊スタジオでは 300Hz 以下の定在波が±2dB程度に抑えられています。

スピーカー等の配置の効果もありますが、大きくはコーナー設置のベーストラップの効果によるもの。

厚みは浅いところで20cm、側面だと30cm。これでも 300Hz 以下の吸音に一定の効果があり、この程度あれば「波長の1/4」は気にしなくて良いかと思います。


弊スタジオではこの Auralex を八つ四隅の縦コーナーに配置しています。設置10年ですが劣化はほぼ無く、不快な匂い、破片の飛散もないしっかりした作り。

必要な方は以下からどうぞ。

サウンドハウス
Yahooショッピング

接着には脱落防止のため「グルーガン」の使用をおすすめします。なお、賃貸住まいで接着がNGの方はスタンド付きのベーストラップが良いかもしれません。

ベーストラップの貼り方

グルーガンでの接着は、初めての方でもカンタンです。以下の図のように、外側をぐるっと一周するように軽く接着剤を塗布して貼り付けるだけ。

剥がす際に壁紙が痛むことも無いようです。

いったん固まれば上に小物を置いても大丈夫。0.7kg程度の重さがあるので、両面テープ等ではやや厳しいかと思います。

まとめ

以上、定在波の特徴にはパターンがあること、攻略法もほぼ決まっていることがご理解いただけたと思います。

まとめると、定在波対策のステップは以下のような流れ。


  • ① 単純な寸法比ではない部屋をセレクトする(重要)
  • ② 最低四畳以上の大きさの部屋をセレクトする
  • ③ あらかじめ発生が見込まれる定在波の帯域を計算しておく
  • ④ 定在波抑制に効果のあるスピーカー・リスニング位置にする
  • ⑤ 部屋の頂点・コーナーにベーストラップを設置する

ぜひ「定在波はDAWで簡単に測定できる」で説明したやり方で対策の効果を確認しつつ、じっくり進めて頂けたらと思います。

私自身これと同じプロセスで定在波を抑え込み、大幅にモニターの解像度を向上させています。冒頭でのモニター環境改善のメリットは誇張では無く本当の話。

貧弱なモニター環境での楽曲制作は品質、効率、そしてなによりメンタルにとって宜しくありません。ぜひ出来るところから定在波対策に着手してみてください。

以上です。


【参考にしたサイト】

自作スタジオのための音響理論入門」http://www.aes-japan.org/special/aes2009/tutorial/AESTC09_TS2_RoomAcoustics.pdf

リスニングルームで音が消える!?定在波の正体とは。」https://natuch.com/2014/12/22/listening_room/

パーソナル・スタジオ設計の音響学」https://pro.miroc.co.jp/2010/01/20/build_up_your_studio/

小さい部屋に大きなスピーカーはなぜダメなのか」https://souzouno-yakata.com/audio/2015/10/24/13828/

定常波 わかりやすい高校物理の部屋」http://www.wakariyasui.sakura.ne.jp/p/wave/housoku/teijyouha.html

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